「月は怒らない」あらすじと感想【不遇な環境で育った二人が手にする幸せとは】

個人的に好きな一冊、垣根涼介の「月は怒らない」を紹介していきます。

著者プロフィール

垣根涼介(かきね りょうすけ)
1966年4月27日生まれ
2000年 – 「午前三時のルースター」で第17回サントリーミステリー大賞読者賞受賞。
2004年 – 『ワイルド・ソウル』で第6回大藪春彦賞受賞、第25回吉川英治文学新人賞受賞、第57回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。
2005年 – 『君たちに明日はない』で第18回山本周五郎賞受賞。
2013年 – 『光秀の定理』で第4回山田風太郎賞候補。
2016年 – 『室町無頼』で第7回山田風太郎賞候補、第156回直木賞候補。
2018年 – 『信長の原理』で第9回山田風太郎賞候補。
2019年 – 『信長の原理』で第160回直木賞候補。

あらすじ

チンピラの梶原、大学生の弘樹、警察官の和田。何の接点もないように見える三人には共通点があった。それはある女の家に通っていることー。市役所の戸籍係で働く恭子は金にも物にも執着せず、相手に何も期待しない。そんな無機質で達観した女に、男たちはなぜ心惹かれるのか。女には、この世界の何が見えているのか。交差する思惑の中から浮かび上がるロクデナシたちの生き様を描いた長編小説。

Amazonより引用

みどころ1 : 壊れた三人の男たち

不遇な生い立ちから反社会的な仕事をしている梶原
どこにでもいる大学生の弘樹
世間体を気にし好きでもない女性と結婚した警察官の和田

年齢や育った環境がまるで違う三人が1人の女性に惹かれる様子が淡々と淡々と描かれます。
例えば嫉妬ひとつにとっても3人の捉え方や反応がそれぞれ違っていて面白いです。

みどころ2 : 禅問答

ヒロインの恭子は毎週日曜日公園に行き、痴呆による記憶障害で四日間しか記憶が持たない元大学教授の男性と出会います。
恭子は毎週初めて会うフリをして、人間の本質とは何か、教授との禅問答が繰り広げられます。

みどころ3 :ヒロインの過去に何があったのか一切触れられない

普通の小説だとヒロインの過去に何があってなんで壊れているのか丁寧に書くと思うのですが、この小説の場合一切触れられません。何があったのか作中で一切語られないけれど、確かにヒロインの恭子は無機質で冷めている。それがこの作品の魅力の一つだと思います。

みどころ4 : 不遇な生い立ちを背負った二人が出す答え

主人公の梶原と恭子は不遇な環境で生まれ育ってきたので、誰にも頼らないし依存も期待もしない、一人で生きていくといった考え方をしています。社会や物事にひたすらに冷めていて無機質です。
そんな二人が出会ってお互いのことを知り徐々に心を開いていく姿はとても感動します。

月は怒らない。
月は太陽のように私を突き刺す眼差しをしない。叩いたり、突き飛ばしたりもしない。
気づかなくても、ただじっと寄り添ってくれている。黙って、いつも見守ってくれている。

月は怒らなないより抜粋

まとめ

というわけで「月は怒らない」の感想でした。

登場人物全てに一癖あるかなり読む人を選ぶかなーと思いました。
そのため、特定の人にしか共感できないのかなと思った印象です。

個人的には大好きな一冊です!
垣根涼介のおすすめはこちらから!

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