垣根涼介「涅槃」が面白すぎた

信長の定理から3年…長かった…
ついに発売された垣根涼介の新刊『涅槃』

もう、めちゃくちゃ面白かった…
上下巻合わせると1000ページ近くあるのでかなりのボリュームですが一気に引き込まれてしまい、下巻からは全部読むのがもったいなくなってしまい時間をかけて読みました。

今回は垣根涼介の歴史小説「涅槃」を紹介します。

「涅槃」あらすじ

死後440年、蹴りに蹴り続けられた男、宇喜多直家。その実像を浮き彫りにする。自分は何故、零落した武門に生まれたのか。どうして自分は、このような孤独な星のもとに生まれたのか……歴史小説界に革命を起こし続ける著者が描く、戦国史上最悪と呼ばれた梟雄(きょうゆう)の素顔、その生涯。

Amazonより引用


味方の裏切りによって滅亡した宇喜多家。6歳の時点で過酷な環境に身を置かれた直家は愚鈍な父親と共に、町の商人阿部善正に引き取られます。

家に居場所のない直家は一日中町をふらついていました。毎日町を眺め続けた直家は商売の面白さを知ります。
騙し騙されが当たり前で人を殺すことでしか成り上がれない武士よりも商人になりたいと夢見ることになります。

しかしその時代の商人の身分はかなり低く、武士の子として生まれた直家にはその選択肢は当然許されるわけもありません。
そんな最中直家の父は、これから成すべきことの大変さに見切りをつけ早々と自殺します。
こうして宇喜多家再興の重荷はまだ少年の直家に託されたのでした。

武家に生まれれば自然と身につくはずの振る舞い、武術や馬術。それらの才能がなくましてや武士として生きていくことに否定的な直家は、世の中において商人の存在がいかに重要か気づき、商人育ちの武士という異色の経歴で武士の世界に身を投じることとなります。

みどころ

著者の作品は徹底的な理不尽を描きそして理不尽な環境の中でどう生きていくか「自分とは何者で何をなすべきか」を読者にひたすら問いかけてくるのが特徴です。
この作品ももれなくそんな要素が凝縮されていて読んでいて心がえぐられるシーンが数多くあります。

みどころ1 : 孤独な少年を取り巻く人間の優しさ

なんといっても登場人物がかなり魅力的です。

直家の素質を見抜き、父親代わりとしてサポートする商人阿部善正。
宇喜多家再興のため、自家を滅ぼした主家に侍女として働きに行く母親
幼い直家に槍の稽古をつける柿谷
直家と心を通わせる沙夜
幼少期の直家に兄のように接する黒田重隆
それぞれの人物がとても魅力的で直家との出会いや別れが作中で描かれています。

これまでの著者の作品には泣ける要素はあまりなかった印象ですが、この作品は泣きどころがかなり多く、個人的には父親代わりの阿部善正と槍の師匠柿谷との関係性はものすごく感動しました。

みどころ2 : 過剰な性シーン

上巻では直家の少年期が描かれます。そして直家の初恋相手との情事も描かれます。

初恋の相手である沙世は今後武士として生きる人間が女を知らないままだと重大な局面(政略結婚など)で女を大事にしすぎて武士として最適な選択をできないと危惧し、自らの身体を使い時には自分の仲間の女郎をあてがい女とは何かを教えます。

かなり詳細に(テクニックや女性期の内部構造まで)書かれる性描写、読んでいる最中にこんなに書く必要があるのか?と思いましたが直家は沙世に手解きを受けたおかげで後に降りかかる重大な選択を間違わずに済見ました。

とても個人的な話ですが昔勤めていた会社で、かなり優秀なエンジニアなのに社内の女性と話すとどもってしまい意思疎通がうまくいかず明らかに仕事に支障が出てる人がいたからこの考え方は現代にも通じるとも思いました。

みどころ 3 : 勝つよりも負けない戦い

智略のみで着実に自家の版図を拡大していく直家ですが、圧倒的なスピードで版図を拡大する織田家とすでに西方に巨大な勢力を要する毛利家に挟まれることになります。

毛利家は宇喜多を取り入れて織田に対抗したいし、織田家は宇喜多を吸収して毛利を叩きたい。

両者の間に挟まれた直家は戦うことよりもどちらについた方が宇喜多家は長く生き残れるか模索します。

武士として抗って死ぬより無様でも自分の部下や家族、町人が生きる事を第一と考えるか、いい意味で徹底的にドライな直家の生き様がとにかくかっこいいです。

口コミ

まとめ:間違いなく面白いから読んでみてほしい

めちゃくちゃ面白いので読んでみてください。
かなり分厚いですが一度読み始めたらもう止まらなくなります。



他にも垣根涼介氏のおすすめはたくさんあるのでこちらもおすすめです。

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