垣根涼介『光秀の定理』あらすじとみどころ【確率論を取り入れた新しい歴史小説】

僕が好きな作家、垣根涼介の「光秀の定理」を紹介します。

作者の垣根涼介氏は「ヒートアイランド」や「ワイルドソウル」などクライムノベルと言われるジャンルを得意とする作家です。

作家生活が10年経ったらいつかは歴史物を書くと語っていて、その初挑戦作が本作になります!

それでは、光秀の定理のあらすじとみどころを解説していきます。

著者プロフィール

垣根涼介(かきね りょうすけ)
1966年4月27日生まれ
2000年 – 「午前三時のルースター」で第17回サントリーミステリー大賞読者賞受賞。
2004年 – 『ワイルド・ソウル』で第6回大藪春彦賞受賞、第25回吉川英治文学新人賞受賞、第57回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。
2005年 – 『君たちに明日はない』で第18回山本周五郎賞受賞。
2013年 – 『光秀の定理』で第4回山田風太郎賞候補。
2016年 – 『室町無頼』で第7回山田風太郎賞候補、第156回直木賞候補。
2018年 – 『信長の原理』で第9回山田風太郎賞候補。
2019年 – 『信長の原理』で第160回直木賞候補。

あらすじ

永禄3(1560)年、京の街角で三人の男が出会った。食い詰めた兵法者・新九郎。辻博打を生業とする謎の坊主・愚息。そして十兵衛…名家の出ながら落魄し、その再起を図ろうとする明智光秀その人であった。この小さな出逢いが、その後の歴史の大きな流れを形作ってゆく

Amazonより引用

感想

結論から言うとすごく面白い著者の代表作「ヒートアイランド」「ワイルドソウル」並の衝撃と読み応え、最高でした。

本能寺の変のことは日本人なら誰でも知っていると思いますが、裏切り者の光秀をこの作者がどう書くのかとても興味がありました。

新しい光秀像を見れたので大満足でした!
以下、みどころを解説していきます!

みどころ1 : 主人公三人の魅力

何と言ってもこれに尽きます。
剣の達人だが、身を立てる術を知らず辻斬りまで落ちぶれた新九郎
優秀な頭脳を持ち僧侶なのに博打で生計を立てる破戒僧、愚息
優れた能力を持ちながらも真面目で不器用すぎる男、光秀

三人を軸に歴史上の出来事をなぞって物語が進んでいきます。

三人ともある種の天才でありながらどこか足りない部分がありその足りない部分を補いながら、不思議な関係性によって成り立つ三人の交流はずっと見ていたくなるほどです。

みどころ2 : 光秀を見守る二人

優秀すぎるが故にどんどん出世していき過酷な環境に身を投じる光秀。

そしてある点においては光秀以上の能力を持っていながらも、歴史に翻弄される光秀とは別に、のらりくらりと生きていく新九郎と愚息。

光秀がどれほど出世し偉くなろうとも出会った当時の関わり方をする二人。信長にすらも一歩も引かない態度は痺れます。
この二人の存在が作中の光秀にとってはどれほどの救いになったのか計り知れません。
そして読み進めていくうちに、不器用すぎる光秀を影から支える二人と共に光秀を応援している自分がいるはずです!

みどころ3 : 確率論

破戒僧、愚息はある方法で博打をうち食い扶持を稼いでいます。一見平等に見えるその博打は何度やっても愚息が勝ちます。なぜ勝つのか理解できない新九郎はそのからくりを理解するために愚息と行動をともにします。

それは光秀にも解けず、やがては信長の耳にも届きます。
愚息は一見同じ条件に見えてもこの世には理(ことわり)が存在すると説くのでした。
そしてこの出来事が後に光秀の窮地を救うことになります。

みどころ4 :この世の定理とは

信長、秀吉、光秀のように歴史に身を投じる生き方、はたまた愚息や新九郎のように歴史から外れる生き方、それぞれの人生において「何を成してどう生きるか?」この小説はそんなことをひたすら問いかけてきます。
光秀の最後は誰もが知っていると思いますが、光秀の死を受けて愚息と新九郎が出した答えがまた考えされられます。気になった方は是非読んでみてください。

まとめ

新九郎と愚息そして光秀三人の友情がめちゃくちゃ面白いので是非読んで欲しいです!

垣根涼介の他の作品はこちら↓

コメント

error:Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました